アメリカンスクール編

投稿者: ゆたママ 投稿日時: 2005年8月20日(土) 20:24

(2004年10月〜) ましんとぴかそは、重度の知的障害を伴う自閉症という障害を持った一卵性双生児です。とても元気な男の子で、日本の小学校の個別支援クラスに通っていたころ(2003年4月〜2004年5月までの様子はこちらをどうぞ)はこんな感じでしたが、パパの仕事の都合で、ここアメリカに家族で移住して、今まで受けてきた教育内容や、個別指導について、日本とは全く違う環境の中で、過ごすことになりました。 現在のましん&ぴかその様子はこちらをクリックしてください。 自閉症ってなに?って思うかたもいらっしゃると思いますが、対人、社会性の障害、コミュニケーションの障害、こだわり、興味の偏りなどといった3つの行動特徴があります。原因はまだはっきりとしてませんが、脳の機能障害と考えられています(これは私的な見解です。まだまだ、勉強中なので間違っていたらごめんなさい)。 ●アメリカで教育を受けるための準備 6月の7日に渡米しました。12日で学校が終わってしまうので、それ以降になると学校もお休みになり、入学の準備も進まなくなる、と言われたので、すぐに、教育水準の高い地域の情報を得て、すぐに住居探しをしました。 住所が決まらないことには、学区も決まらないということなので、2、3日で今の住むアパートに決定しました。そしてその足で、学区の教育委員会に出向き、障害児を受け入れてくれる学校を探してくれるよう、依頼しました。 パパはそこそこ英語が出来るのだけど、聞き慣れない単語が出てくるので、通訳を用意してもらい、すぐにでも、ましんとぴかその受け入れ先の学校を決めるた めの会議を行うチーム(コーディネーター、心理士、その他、数人)が組まれました。そして、「日本から、ましんやぴかそに関する、生まれてから現在までの 詳細な資料はありますか?」と聞かれ、「日本では、施設ごとに保管してあるので、持っていません。」と答えたら、コーディネーターの方がすごく驚いていま した。アメリカでは、障害を持った子供の詳細な資料はずっと付いて回るものなので、持って来てないなんて、信じられない、、と言った感じでした。 そこで、あわてて、過去にお世話になった施設に電話したりメールしたりして、どうにか資料を取り寄せて(本来なら、こういったことはできないそ うですが学校に入るためには必要な資料ということで、了承していただきました)、日本で受けてきた心理テストや療育内容、ましんやぴかその自閉症や知的レ ベルを知ってもらうことができました。こういった資料がないことには、学校探しもできないですからね。 さらに、カリフォルニア州で決められた種類と回数の予防接種を受けないと入学させてもらえないので、慌てて、紹介されたクリニックで予防接種を 受けることになりました。それまで、パパは予防接種を子供に受けさせることに強い拒絶を示してたのですが、このまま、彼らを野放しにしておくわけにはいか ず、仕方なく折れることになりました。 すぐに、アメリカの学校に入学させたい、、という方は、あらかじめ日本で接種しておくことをお勧めします。 6月の中旬に、決められた学校へ出向き、簡単にましんとぴかその心理のテストを受けました。 7月の中旬に「今、ましんたちに合った学校を探してます」と教育委員会から連絡がありました。学校が始まるのは、8月26日からという情報も得ました。 8月の初めに、教育委員会から学校が決まったと手紙で知らされました。ただし、この学校は1ヶ月、とりあえず、二人を通わせてみて、合うようだったら、そのまま通わせて、合わないようだったら、別の学校に転校することもあり得る、と言われました。 そして、住所を確認できる支払い証明書(電気の領収書等)、予防接種を受けている証明となるもの、子供のパスポート、の書類を教育委員会に提出しました。 あとは、学校がスタートするのを待つのみです。 ◇いざ、学校が始まってみたものの。。 そして、いよいよ、二人のアメリカでの学校がスタートしました。学校の送迎はスクールバスでお願いしました。初めのうちは、物珍しくて落 ち着かないぴかそ。バスのオバちゃんに、「ちゃんと座らせるように、しつけてください。じゃないと他の生徒さんもいるのだから、ルート時間が守れないの よ。。」と厳しく叱られ、この先、スクールバスに乗せても大丈夫?と不安だったけど、2週間もすると、ぴかそもやっと慣れたようで、今ではだいぶ大人しく 座っていられるようになりました。 しかし、二人が通っているクラス、まだ通い始めて3日目だっていうのに、先生から、「ましんは、このクラスではついていけないから、別の学校へ行くことを勧めるわ。。」とはっきりと言われてしまいました。 ぴかそのクラスは、読み書きができるクラスで、ぴかそはたまたま、読んだり書いたりすることに興味があって、先生の指示にもある程度従うことができるようだけど、ましんは、読み書きにまったく興味を持たないので、そう言われたのだと思いました。 今まで、二人はずっと一緒に過ごしてきたし、日本でも、二人の能力の差を指摘されたことがあったけど、送迎の問題などで、別の学校に行かせるなん て考えたことがなかったのですが、こちらでは、スクールバスが用意されていれば、ドアtoドアで行けるのであれば、それもアリかな?と思うようになりまし た。 また、「二人が一緒に居ない方がお互いのため」とも指摘され、確かに、ぴかそはいつもましんのことを気にし過ぎて、ましんがパニックになってるとぴかそま でもが「もらいパニック」になってる状態も多々あったような。。ましんも、ぴかそが近づくだけで、怯えたり。。 そんなこんなで、ましんはこの学校の授業も、9月の2周目からは、午前中で終わって帰ってくるようになりました。 早 く、ましんのためにも、ましんに合った学校が見つかればいいのに、、と思っていたら、9月の半ばに、教育委員会から「ましんの学校が決まりまし た」との連絡が入りました。おぉ、やっと決まったのね、、ずっと待ってました、、と喜んだけど、また、新たにましんの学校へ提出する書類にたくさんの記入 しなくてはならないのと、新しいバスの手配に少なくても1週間はかかる、、と言われ、その間、ましんの遠い学校まで、ゆたママが送迎をすることになりまし た。 ましんの学校はもちろん普通の学校ではあるけど、その中に、特別クラス(日本でいう、養護学校)で、クラスの雰囲気は、療育センターでやってきたこととそっくりでした。 ましんに合う学校がようやく決まり、ましんも楽しく、おだやかに学校生活を送っているようです。今は、ましんが早く学校に慣れて、お弁当を残さずに食べて帰ってくる事を願っているゆたママです。 日本では、「この子、自閉症なんです。」と誰かに話しても、「だから?」とか、「何?それ。。」とか、「。。。」と反応は様々です。でも、これは、日本が自閉症について正しく、教育してこなかったからの現れだと思います。 で も、ここ、アメリカでは、ましんたちが公園でパニックになった時や、お店で暴れだした時に、「この子、自閉症なんです。」と言うと「あ、そう だったのね。」とすぐに理解してくれます。これは普通に教育を受けて来た人であれば、誰もが知っていることなので、理解してもらうと、その後は特に奇異な 目で見られたりすることもありません。また、親切な人だと、「◯◯センター、紹介しましょうか?」とか、「私、◯◯という団体を知ってるわよ。」などと丁 寧に教えてくれたりもします。 この数十年間、アメリカの文化を取り入れて豊かになってきた日本ですが、こういった知的な部分でも取り入れていって、心も豊かな日本の社会になっていくことを願っています。 現在のましんとぴかその様子(2004年10月現在) ましんは、今住んでいる街の2つ先離れたところにある、学校に通っています。居住区と学区が違うにも関わらず、バスの送迎をお願いすると手配してくれるところが、さすが、アメリカ!と関心してしまいます。 ましんは、このバスで通っていますが、とりあえず、落ち着いて座っていられるようです。 学校では、ほぼマンツーマンで先生に付いてもらって、パズル遊びをしたり、外のプレイグランドで体を動かして過ごしているようです。 [inline:PICF4372.gif] このバスで通ってます! ぴかその学校は学区内にあるのですが、ここの学区の中でも、教育水準の高い学校らしく、クラスも障害児であっても、読み書きができるレベルのクラスに在籍しています。 朝の集まり、デスクワーク(アルファベット、数字を書く練習)、プレイグランド、ランチタイム、お絵描きなどをして過ごしているようです。 ぴかそもスクールバスで通ってますが、慣れるまで、運転手さんに迷惑をかけてしまいました。毎日、お迎えの時に、「今日はいい子で座っていられたのかな?」とドキドキしてます。

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